【治療レポート】バドミントンで腓骨筋腱炎に!20代女性の歩行困難を改善した治療法

20代 女性 会社員
来院理由 足首を痛めた後に同僚に紹介してもらって
通院回数 7回
治療メニュー 整骨治療(保険併用)

 

症状(初回来院時)

初回来院の2日前、バトミントンを行っている最中に負傷し炎症を伴っているため右足をかばうように歩いていらっしゃいました。

 

検査

自覚痛(NRS)9

NRSの概要
・患者さんが感じている痛みの強さを0から10までの11段階の数字で評価します。
・0は「痛みなし」、10は「想像できる最大の痛み」を表します。

今回は負傷から2日と炎症期のピークだったのでNRSが9とかなり高めでした。

問診と検査

  • 発生状況:
    • バドミントン開始20分後、特に足を挫くような動作はなく、右足外くるぶしの後ろあたりに違和感が生じた。
    • プレーを継続したところ、違和感が痛みに変化。
    • その日の夜には患部に熱を持ち、痛みが増して体重をかけるのが困難になった。
  • 患部の状態:
    • 右足外くるぶしの後ろ側に圧痛と歩行時の痛みがある。
    • つま先立ちで痛みが生じる。
    • 外くるぶしとアキレス腱外側周辺に熱感がある。
  • その他の情報:
    • 肩関節、股関節、脊柱の骨格バランスに左右差がある。

      以上の情報と検査結果をもとに「長腓骨筋腱炎」と判断しました。

長腓骨筋腱炎とは?

長腓骨筋腱炎(ちょうひこつきんけんえん)は、足首の外側にある長腓骨筋という筋肉の腱が炎症を起こした状態です。簡単に言うと、「足首の外側の腱が使いすぎで炎症を起こして痛む」ということになります。

代表的な原因は?

  • オーバーユース(使いすぎ):ランニングやジャンプなどの運動、長時間の立ち仕事など、足首に負担がかかる動作を繰り返すことで起こりやすい。
  • 足首の捻挫:捻挫の後、適切な治療を行わずに運動を再開すると、長腓骨筋腱に負担がかかり、炎症を起こすことも。
  • 足の構造的な問題:偏平足やハイアーチなど、足の構造的な問題があると、長腓骨筋腱に負担がかかりやすくなる。
  • 靴:合わない靴や、クッション性の低い靴を履いていると、足首に負担がかかりやすくなる。

過去の外傷歴・既往歴

特になし

治療目標

今現在の痛みを治したいことと1か月後にバトミントンの大会が控えているので参加したいとの要望でしたので

  • できるだけ早く炎症をひかせる
  • 適切なタイミングから早期のリハビリを実行する(非荷重から)
  • 荷重リハビリへ導き競技パフォーマンスを怪我前に戻す

という流れで行っていくことにしました。

 

治療と経過

治療1回目から3回目

治療初日から3回目までは、2日おきに治療を行いました。この時期は、炎症の早期改善を目指し、物理療法機器による刺激に加え、IASTM器具による「筋膜リリース」を実施し、皮下のリンパ液の流れを改善、組織修復を促しました。また、テーピングによる固定も行いました。(※この時期は競技を休止していただきました。)

〇4回目以降

4回目の時点では、内くるぶし周辺の炎症が順調に引き、熱感や足に体重をかけても強い痛みはなくなっていました。治療では、患部に関連する筋肉の「柔軟性・弾力性」などの硬さを改善し、「非荷重トレーニング」(患部に体重をかけないトレーニング)を開始しました。

  • シーテッドカーフレイズ
  • シーテッドトゥレイズ
  • ヒップリフト

上記トレーニングを指導し、ご自宅では各トレーニングを3セットずつ毎日実施していただきました。(※この時期は競技への参加をアップ程度に留めていただきました。)

その後は週1回のペースでご来院いただき、5・6回目の時点では通常歩行や階段の昇り降りでも痛みがなくなっていたため、治療後のリハビリでは、

  • スタンディングカーフレイズ
  • スタンディングトゥレイズ
  • つま先立ち歩き
  • 壁にお尻をつけた状態でのスクワット

上記トレーニングを指導しました。荷重状態において負荷がかかっても痛みがなく、上記のトレーニングをご自宅でも実施していただきました。(※この時期から競技に復帰されています。)

治療最終回

翌々日にバトミントンの試合を控えた最終回では、荷重に加え、ジャンプから発生する衝撃に対しても痛みが出なくなっていたため、最後の調整を行い、試合用のテーピングを装着し、治療を終了しました。

 

行った治療方法

治療を振り返って

今回の症例は、使いすぎによる疲労蓄積から発生した(オーバーユース症候群)腓骨筋のトラブルでした。受傷後、早期に治療と管理が行えたため、順調に回復したケースだったと思います。次回に控えていた試合までの期間も幸い1か月あったため、余裕をもって治癒を迎えることができました。

 

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投稿者

清水 玲
清水 玲
2003年から治療家人生をスタートし2018年「わたしの整骨院」を開業する。現在に至るまでに約16万人の治療に携わる。
資格/柔道整復師 JATI-ATIトレーナー