椎間板ヘルニア(腰)~治療レポート①~

サッカーの試合中に腰に痛み、試合後歩くのもつらい。。。

10代 男性 学生

来院理由 3週間前から右股関節に痛みがあり普通に歩けない
通院期間 集中治療期19回(3か月)以降、メンテナンスケア期32回(13か月)

 

症状(初回来院時)

初回来院日より9日前にサッカー試合中に負傷し翌日に整形外科に受診しMRI検査を受けたところ腰椎4・5番間にて椎間板ヘルニアと診断され手術も進められたが、ひとまず一考したいとのことで飲み薬を処方され多少動けるようになってから当院を受診されました。

院に到着した際は靴を脱いで靴を下駄箱に入れる動作は不可能でした(前かがみ動作)

検査

自覚痛(NRS)…8(ズキズキ・ジワジワ痺れる・鈍痛)

日常生活上の痛み

夜間(寝返り痛)・起床時の痛み+

立ち・座り動作痛+

靴下・下着着脱時に前かがみから足を持ち上げられない

学校での授業中、座っているのがつらい

 

徒手検査

腰部…前屈・後屈不能 側屈・回旋動作も大きく制限+ 右SLR検査+

知覚…右坐骨神経領域やや知覚鈍麻 以下、膝から足先にかけては問題なし

骨格バランス

腰の痛みから逃れようとしていたため(疼痛回避肢位)左右差が非常に激しかったです

過去の外傷歴

両足首の捻挫(中程度)、左膝オスグッドシュラッター病(現在は症状なし)

 

治療目標

今回は整形MRI検査でも徒手検査SLRテストでも陽性であり椎間板ヘルニアには間違いないものでした。

来院された時、患者さんは当時高校3年生であり高校サッカー最後のシーズンであり受験生でもありました。

本人の希望は「最後の大会は出場したい」という思いと「できれば手術はうけたくない」とのことでしたので一つ一つご説明させて頂きました。

大会出場に関しては負傷段階より2か月後に控えており時間経過(創傷治癒過程)とMRIの画像データを鑑みると「出場は可能かもしれないが1試合フルで参加できるかはどうか?」とお話ししました。

また手術に関しては当院の治療でヘルニアを改善させることは十分に可能と伝え「治療期間」「治癒過程」「手術・手術以外の双方のメリット・デメリット」をご理解いただいたうえで本人の希望のもと治療を開始しました。

 

治療と経過

集中治療期間

初診時(痛みの強さ8)~炎症期~

まず疼痛回避肢位状態を改善しないことには日常生活上の負担や椎間板への余計なストレスが無くならないので一か所ずつアクチベーターで安全に筋緊張を取り除いていきました。

この時はベッド上で体勢を変えるのでも「痛み」を伴ったので「仰向け」と「うつぶせ」のみで対応しテーピング固定とハードタイプのコルセットで二重に固定をかけました。

治療後、立ち上がって「腰を伸ばす」動作で痛みはあるものの「まっすぐ背筋を伸ばして」立てるようになりました。

2回目~6回(痛みの強さ6~8

2回目~6回目までは1日おきに治療を行いました。

前回から整形から処方された鎮痛剤に加え「コルセット固定」を始められたので「椎間板」への負担が軽減されていきました。

ただこの時点では「炎症反応」もまだ強く治療内容は繊細に行っていきました。

2回、3回目までは初回同様「仰向け」「うつぶせ」のみでアクチベーター・物理治療器・指圧・関節モビライゼーションを行いました。

4回目以降は「前にかがむ際の痛み」は強いものの「腰を伸ばす動作」が少しできるようになってきたので「柔軟性向上」の為、ストレッチを開始しました(患部側の右側は行わず)

6回目終了時点で「前にかがむ際の動作」は痛みによる制限はあるがその他の動作は大幅に改善しました。

 

 

 

7回目~13回(痛みの強さ3.5~6

7回目の時点で負傷から3週弱経過し無事に「炎症期」から「増殖期」に移行しました。

 

6回目終了時点の「前にかがむ際の動作」は痛みによる制限はあるが治癒過程では「可動域・柔軟性の改善」と「患部周辺の筋群のリハビリ」が必要な時期です。

各回の治療後はコンディションを診ながら適切な運動療法を指導していきました。

(指導例)キャット&ドッグ ヒップリフト クランチ サイドベントなど

※ケガ後のリハビリを行う際は専門家にご相談の上行ってください。

この時期の運動療法は非常に重要で筋活動を行うことで「血流促進・運動神経の伝達改善・患部の安定化」などの効果が得られ結果治癒の促進が期待できます。

今例も回数を追うごとに痛みや動き方(前かがみ動作)が改善していきました。

 

14回目~19回(痛みの強さ3~4

14回目からは治療の間隔は1週間に1回の頻度にて行いました。

サッカーの練習も再開(軽めに)し始めた頃で運動中・後は痛みがすこしぶり返したりすることもあり各回治療を行っていきながら少しずつサッカーに本格的に復帰できるように調整していきました。

運動療法でも体重をかけた状態での運動に切り替えて

〇スクワット 〇レックランジ 〇スティフレッグデッドリフトなどを導入し始めました。

また更に患部周辺の背筋活動を高めるために微弱な電気刺激を筋肉に通電しながら運動を実践していきました。

 

そして15回目の治療の前には高校サッカー最後の大会を迎えました。

結果として試合に出場できたものの20分間で途中交代になりました。

残念ながらフル出場は実現できませんでしたが「少しでも出場できてよかった」との言葉に少し安心したのを憶えています。

以降の治療では引き続き治療と運動療法を行い「痛みの強さ」も日常生活に大きな支障はなくなり「集中治療期間」は終了としました。

 

しかし椎間板ヘルニアによる神経根の修復期間と、これから「受験生」として日々、今まで以上に座りっぱなしの生活(動作的に座りっぱなしが非常に腰に負担がかかる)が始まるので今後は「ケア・メンテナンス期間」として定期的に治療を継続していくことになりました。

 

「ケアメンテナンス期間の経過」は別の記事にいたしますのでお待ちください。

行った治療方法(集中治療期間)

 

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投稿者

清水 玲
清水 玲
2003年から治療家人生をスタートし2018年「わたしの整骨院」を開業する。現在に至るまでに約16万人の治療に携わる。
資格/柔道整復師 JATI-ATIトレーナー