突然起きたぎっくり腰！激痛から動かせない！

 

症状（初回来院時）

初回来院時ではぎっくり腰による炎症で腰に痛みがあり身体を前にかがませる「疼痛回避肢位」でみえました。

靴を棚に入れるためかがむ動作もままならず終始、膝を曲げて前かがみの姿勢でした。

検査

自覚痛（NRS）…10

日常生活上の痛み

全ての動作に痛みによる動作の支障がある。

特に動作開始時は総じて痛い。

就寝時中の寝返りが苦痛で起床時もすぐに起きれない。

ぎっくり腰になった今は仕事は休んでいる。

徒手検査

腰…屈曲・伸展・側屈はほぼ不能。回旋動作は少しなら可能。

SLRテスト…右側で腰部に疼痛あり。坐骨神経走行（ももうらは痛み、しびれ－）

骨格バランス

疼痛回避肢位があるために後方からの左右差が非常に強く痛みがないときの骨格バランスを判定することはこの時点では不可能でした。

過去の外傷歴

元々、慢性腰痛気味がある。

負傷日の3日前に右ふくらはぎに突然痛みが走りももうら～お尻が固まっていた。

筋損傷は見受けられないが右腰の柔軟性低下に関与したと思われる。

治療目標

患者様自身の希望として現時点の痛みを改善し1日でも早く仕事に早く復帰したいとのことでした。

それを踏まえたうえでこの時点では炎症のピークであったので「痛み」に対する治療と仕事（保育）で負担は避けられないが「仕事をしながら治していく」方向性でスタートしました。

治療と経過

初診時（痛みの強さ10）…この時点ではベッドに寝ることも困難ですが時間をかけてうつぶせになってもらいアクチベーターで反射を利用し筋硬結と関節のロックを外し、可能な範囲に指圧とストレッチで筋肉の柔軟性と弾力性を改善するようにアプローチ。

その後、物理治療器で痛みに対してアプローチしました。

治療直後は筋肉にうまく力が入らず患部にどうしても痛みが響いてしまうので時間をかけながら起きてもらい固定強度の高いコルセットにて患部を安静固定にしました。

初回治療後はコルセット効果もあり腰を伸ばして立てるようになり生活上の注意点をご説明して終了。

治療後の運動指導では肩甲骨・頸椎周辺のセルフ関節運動とストレッチ方法と頭痛が出た際の対処方法をお話ししました。

2回目（痛みの強さ7.5）…初回より4日後の治療。

前回の施術以降、痛みは激痛から腰の重さと鈍痛タイプへ変化してきた。

寝返り痛と夕方以降は痛みが増してくる。

アクチベーターと指圧で調整しストレッチを可能な範囲で行い柔軟性を改善する。

最後に物理治療器で発痛物質を分解するようアプローチ。

治療後の起き上がりはスムーズになる。

 

 

3回目（痛みの強さ5）…前回より3日後に来院。

寝返り痛と夕方以降は痛みが軽減し軽い鈍痛と重怠さが中心になる。

翌日は家族の用事で出かけ半日以上立ちっぱなしになるとのことで治療で前もって治療を行いコンディションに余裕を持ってもらう。

最後にヒップリフト、cat＆dogの動作で患部周辺の動きを出す練習を行う。

 

4回目（痛みの強さ3）…前回より2日後に来院。

前回の外出後は痛みが悪化することは無かった。

また炎症期を抜け増殖期へ移行したと判断し治療を行う。

本人の希望もあり明後日から仕事へ復帰することになる。

仕事後の腰痛体操・ストレッチ方法を最後に練習する。

 

 

5回目（痛み2）…前回より1週後に来院。

仕事に無事復帰し夕方以降の弱い鈍痛はあるものの寝返り痛・起床時痛・動作痛はほぼ無く過ごせている。

柔軟性や筋力バランスの改善の余地は大いにあるが本人の希望通りに改善したのでこの回で治療を終了としました。

 

 

行った治療方法

治療を振り返って

今回の症例は急性タイプのぎっくり腰でありました。

ぎっくり腰は立派なケガであるので「創傷治癒」の過程通りに修復が進めば初期の痛みは辛いものの比較的短期間で楽になる場合も多いです。

もし、なってしまった場合は動けるレベルであれば少しでも早く治療に臨まれることをお勧めします。