2週間前から段々と、左側のアキレス腱が痛くうまく踊れない

 

症状（初回来院時）

ご来院時にブーツタイプの靴を脱ぐ際に痛みを感じる。

通常歩行は問題ないが階段を上る際にアキレス腱に違和感を感じている。

検査

自覚痛（NRS）…5（鈍痛←日常生活上）　7（強く痛む←踊っている時と練習後）

日常生活上の痛み

つま先立ち痛++

起床後、足をつくと+

階段の上り+

同じ側のふくらはぎの張り・重怠さが強い

 

徒手検査

足関節（他動運動）…背屈時痛+　底屈時痛+ 内返し痛+

足関節（自動運動）…背屈時痛-　底屈時痛+ 内返し痛+

圧痛点…アキレス腱内側+　肥厚+（踵骨より3横指上）

骨格バランス

過去の外傷歴

今回と同じ側の足関節捻挫を2回経験している。

 

検査の結果、患部に関連する筋肉・関節の柔軟性+可動域低下によるオーバーユーズタイプの「アキレス腱周囲炎」と判断しました。

治療目標

今回は3か月後に「発表会」が控えていましたが日数的には余裕をもって本番に臨めると判断しました。

「創傷治癒過程」は炎症期からのスタートになるので的確かつ順調に各期を進められるよう「治療の流れ」をお話しし、ご本人の希望を聞きながらバレエの練習量についても話をさせていただきました。

また今回の負傷の要因でもある筋肉・関節の柔軟性+可動域低下を改善し「ケガの治療」+「バレエのパフォーマンスアップ」も図らせていただくことになりました。

※今回の患者さんのタイプはBタイプです

治療と経過

初診時（痛みの強さ7）…アクチベーター・ストレッチ・指圧・関節モビライゼーションで調整し初回治療後は、

足関節（他動運動）…〇背屈時痛+→痛み-　〇底屈時痛+ →変化無し　〇内返し痛+→痛み-になりました。

確認後、テーピングにて足関節機能サポートをいれ終了。

2回目～4回目（痛みの強さ5～6）…3日ごとに来院。炎症期が故の管理期になるので微弱電流も使用し発痛物質の分解も行っていきました。

テーピング固定も継続。

 

5回目～9回目（痛みの強さ4～4.5）…炎症期を抜け、来院周期は1週間に1回に変更。レッスン再開するが痛みはある。（レッスン中）トゥシューズはまだ履かないようにしてもらう。

微弱電流は終了しストレッチ・指圧・関節モビライゼーションを中心に調整。

治療後の自覚痛が軽減し運動指導を開始する。最後にテーピング固定。

（この時期の運動指導）

低強度カーフレイズ（両足・片足）・キャット＆ドッグ・アブダクション・アダクション・マッケンジーエクササイズ

 

10回目～15回（痛みの強さ2～3）…レッスン中の痛みは感じなくなる。レッスン後の違和感と弱い痛みは感じる。トゥシューズを履き始める。

治療後の運動では次回の治療の前に「発表会」を迎えるため「アキレス腱のリハビリ目」+「バレエ時のパフォーマンスアップ」を図るトレーニングも加える。

 

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※今回の患者さんの動画ではありません

 

 

16回目と17回目（痛みの強さ0～1）…前回の治療後に行われた「発表会」は無事に最後まで踊れた。

日常生活・レッスン前・中・後の痛みは無くなる。

レッスン後の違和感は日によって出ることもあるが一時間程度で消失する。

足の治療と上半身のバランス調整を行い今後のセルフケアとして自宅で行えるトレーニングとリハビリを指導させていただいて終了としました。

 

行った治療方法

治療を振り返って

今回の症例はアキレス腱に関連する筋肉・関節の柔軟性+可動域低下によるオーバーユーズ（使いすぎ）タイプの「アキレス腱周囲炎」でしたが「発表会」までのスケジュールが余裕を持って治療が行えたので「創傷治癒」の流れも順調に過ぎ完治に近い状態で本番に臨めました。

この数年、コロナ感染症の影響もあり中々、発表会なども開催されず患者さんにとっての数年ぶりのお客様の前で踊れる機会でした。

特別な思いをもって行動したいときにケガをしてしまっていれば「やりたいこと」もままなりません。

しっかりケガや不調を治して全力で臨めるよう、これからも皆様を全力サポートしていきます。