椎間板ヘルニア(腰)~治療レポート②~

「椎間板ヘルニア(腰)~治療レポート①~」の続きです

「腰椎ヘルニア治療」のケアメンテナンス期間の治療と経過

10代 男性 学生

来院理由 腰椎ヘルニアによる酷い痛みは改善したが「可動域の改善」「再負傷の予防」のため
通院期間 メンテナンスケア期32回(13か月)

 

症状(3か月の集中治療期を終えて)

〇3か月前に発症した腰椎ヘルニアによる酷い炎症と日常生活の大きな支障は無し。

〇時折、負担や疲労が蓄積してくると腰・お尻に強い鈍痛とだるさが起きる(サッカー練習後・長く座り姿勢が続くと)

〇前屈動作が行いにくい(股関節の可動制限+)

 

 

治療目標

前回までの3か月間の「集中治療期」で「創傷治癒期間」の炎症期と増殖期が終了し「成熟期をいかに質の良い期間にできるか?」といった部分を大事にしました。

成熟期において質の良い環境を構築することにより「椎間板」の修復結果がかわり予後が変わってきます。

また高校時代のサッカーは終了しても「大学進学後にはサッカーを継続して行いたい」という思いがあり、また今後の人生においても今回と同じような経験はしてもらいたくないのでケアメンテナンスを充実させながらストレスのかかる「受験期」を突破していき同時に高校卒業・大学入学時には「腰の痛みや不調などまったく感じない」状態にしていこうと約束しました。

 

治療と経過

ケアメンテナンス期間(月に1~4回のペースでの治療とリハビリ)

(1か月目ー2か月目)治療回数8回

主訴と治療:前屈動作の可動制限(筋柔軟性と関節可動制限による腰の痛み)と右ハムストリングス(ももうら)ストレッチ時の痛み(ヘルニアによる坐骨神経への放散痛)に対する治療を行う

治療後の運動指導:レッグカール(ハムストリングス)・ヒップエクステンション(大殿筋)・アブダクション(内転筋)・クランチ(腹直筋)・バックエクステンション(脊柱起立筋)

 

(3か月目ー4か月目)治療回数7回

主訴と治療:日常腰痛はほぼ無いが前屈動作の可動制限が硬い(筋柔軟性と関節可動制限による硬さ)と右ハムストリングス(ももうら)の重怠さに対する治療を行う

また負傷以降初めて5キロを連続で走っても問題ない。高校生活最後の体育祭も無事に参加した。

治療後の運動指導:レッグカール(ハムストリングス)・ヒップエクステンション(大殿筋)・アブダクション(内転筋)・クランチ(腹直筋)・下肢の関節・股関節・脊柱の運動連鎖を目的にスクワット・デッドリフトを練習する(自重~6キロバーベル)

 

(5か月目ー7か月目)治療回数7回

主訴と治療:日常腰痛は無し。

但し予備校で1日中勉強していると腰が疲れる。

前屈動作では硬さは感じるものの大きな可動範囲で実践できる。

治療頻度は月に2回程度になり毎度、負担のかかっている部位のケアと運動指導を実践。

 

治療後の運動指導:レッグカール(ハムストリングス)・レッグエクステンション(大腿四頭筋)・アブダクション(内転筋)・スクワット・デッドリフト(6kgバーベル~26kg)

 

(8か月目~10か月目)治療回数6回

主訴と治療:日常腰痛は無し。

予備校で1日中勉強していると首や腰が固まり時折頭痛がする。

治療頻度は月に2回ずつ。負担のかかっている部位(首なども)のケアと運動指導を実践。

 

治療後の運動指導:スクワット・デッドリフト(6kgバーベル~36kg)・ダンベルベンチプレス(大胸筋)・ショルダープレス(三角筋)・ラットプルダウン(広背筋)・ローイング(僧帽筋)

この時期は受験勉強で固まり根本的に運動量不足になっていたので「コア・下半身」のみならず上半身の運動種目も実践しました。

 

(10か月目~13か月目)治療回数4回

主訴と治療:日常腰痛は無し。

全国共通テストや入試が近づき、より1日中勉強していると首や腰が固まる。

治療頻度は月に2回、最終月は1回。負担のかかっている部位を含めた全身のトータルケアと運動指導を実践。

 

治療後の運動指導:スクワット・デッドリフト・・ダンベルベンチプレス(大胸筋)・ショルダープレス(三角筋)・ラットプルダウン(広背筋)・ローイング(僧帽筋)

この時期も運動量不足やメンタルストレスが高く本人の希望もありケア後の運動種目も多めに実践しました。

 

また10か月目のタイミングで整形にてMRI検査を受けてもらいました。

結果はヘルニア部の状態は良好で椎間の間隔も問題ない(椎間板の再生が順調)とのことでした。

 

11か月目には無事に第一志望の大学の合格も決まり高校を無事に卒業されました。

最終月でも腰の痛みはなく、このタイミングですべての治療を終了としました。

 

 

行った治療方法(集中治療期間)

治療を振り返って

今回の症例は16か月間に渡る長期間治療になりました。

一般的な「ぎっくり腰」などとは違いヘルニアでは「神経根」に問題を起こすため痛みが強く再生までに時間を要します。

今症例の患者さんも高校生活中に負傷し競技への影響も大きかったです。しかし彼自身も椎間板ヘルニアと真剣に向き合い一つ一つの目標をクリアし大学受験まで突破しました。

現在大学でもサッカー部に所属し日々元気に汗を流しているようです。

一つの人生の大事な時期でのトラブルでしたが最後まで治療に携われて本当によかったと思います。

 

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投稿者

清水 玲
清水 玲
2003年から治療家人生をスタートし2018年「わたしの整骨院」を開業する。現在に至るまでに約16万人の治療に携わる。
資格/柔道整復師 JATI-ATIトレーナー