親指の腱鞘炎
右手親指の腱鞘炎…女性
昨日の症例報告です。
先月あたりから右手首に弱い痛みと違和感を感じながら過ごしていたが一昨日から急に痛みが強くなり、ご来院です。
しっかり問診をしてある程度症状の目安をつけてから触診と徒手検査を行ってみると。
圧痛はスナフボックスに。限局的な痛みではなく痛みが押さえた場所だけでなく手首・親指側にも広がりました。
この時点で腱に損傷がある可能性が高くなってきます。
そして腱鞘炎を疑いフィンケルシュタインテスト+。
手首側にも少し痛みを感じていたのでインターセクションシsydも考え触診部を変えてテスト-。
これで腱鞘炎の中のド・ケルバン病であることがわかりました。
今回の症状の主役になる短母指伸筋腱と長母指外転筋腱。
多くの腱鞘炎に共通していえることですが腱鞘炎の場合、問題となる場所が痛みのある手首のみではないということです。
主訴となる関節・筋肉は個々で独立した構造を持っていますが機能上では必ず他の関節・筋肉と連動して動き機能しています。
今回は「先月あたりから」すでに弱い痛みがあってとのことなので尚更主訴以外の確認も必要になります。
では全身バランスの確認を。
うん、傾いていますね。
左右差も気になりますが当患者さんは「ストレートネックからの猫背」が強いので、肩が本来の位置よりも前方に入ってくるので頚・肩・前胸部での血管圧迫による患部への循環障害が強いだろうと判断しました。
さて、ここまでしっかり患者さんへ説明して治療です。
まずはアクチベーターで骨盤・股関節の可動域を左右差無く正常に動くようにして次は前に入り過ぎた肩を広げるために頚と肩の治療。
肩が正常に動くようになると緊張していた筋肉が正常な柔軟性に戻る為、変に血管圧迫等の循環障害を起こさずに済みます。
ここまで治すと「先生、腕がスゥッッーと軽くなりました!」
なんておっしゃる患者さんが多いです。
そして手関節の調整をしてここも正しく動くようになると痛んだ腱へのストレスが大幅に軽減できるわけですね。
ここまでで動かした時の痛みも楽になってくる訳ですがここで勘違いしてはいけません。
「あくまでに、まだ傷口は存在している」ということです。
で、保護する為に固定をしっかりしましょう。
本来はもうすこし固定を強めにテープを重ねて前腕部までとも思ったのですがかぶれやすいとのことでシンプルに。
別アングルで。
そしてドケルバンは手首側の固定が非常に重要です。
もう一枚手首に覆っても良いかもしれません。
そして猫背を防ぐ為にも首~肩甲骨まで少し引っ張りながら固定。
今回は恐らく一ヶ月前くらいから腱鞘炎の場所自体が少しずつ傷つき(マイクロトラウマ)進行したタイプなのでやや治癒までの道のりがかかると思いますが最短で治癒させるためにもベストを尽くしていきたいです。
投稿者
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2003年から治療家人生をスタートし2018年「わたしの整骨院」を開業する。現在に至るまでに約16万人の治療に携わる。
資格/柔道整復師 JATI-ATIトレーナー
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